2012.08.03 (Fri)
■ACT.190 本誌妄想 【蓮視点】
そろそろ本誌祭りが開催されそうな界隈をうかがいながらこっそりこそこそウpしてみます。
レイプの敦賀君視点なので、どうしようか悩みつつ。
引き続き読んでやろうと思われるいたいけなおかたも、十分お気をつけてくださいね。
本誌が出たら、この妄想は枯れそうな気がするのでw覚書としてのウpであります。
↓モレ
More・・・
厳重に閉じ込めて、ふたをして、その箱ごと鎖でがんじがらめにしたはずなのに、
あの子は俺の中の獣に、容易くその鎖を引きちぎらせる。
(きれいごとを、いったって、オマエがナイトを気取るなんてことが、そもそも間違いなんだよね……)
嘲笑う声。
(どくせんよくのうらがえし、ほんとうは、ただ、あの子を自分につないでおきたいだけ……)
歌うように。
(ほんとうはあの子にとっていちばん危険なのが、自分だってこと……しってるくせにね)
オレが俺の軛を断ち切って、あの子へ向かう。
それを思うと、内臓の裏をざらついた舌で舐められるような……生理的な嫌悪を感じる。
そして俺は、その奥に、なにかしら俺を惹きつけてやまない何かの存在を見る。
してはならない禁忌を犯す、どうしようもない興奮とセットになったそれは……
たぶん、自己破壊のプログラムの、スイッチなんだろう。
(…………………どうして、おまえは)
(わかってるだろう……?オマエがあのこを、そんなにもだいじだとおもってるからだよ)
かけがえのない相手を自分のせいで喪う、そのどうしようもない絶望。
足元から、ずぶずぶと、全身に這い上がり、絡みつく氷のような汚泥。
それに塗れることが…………快感だと。
地獄の底が、恐ろしいほどの蠱惑をはらんでいると、
…………気づきたくなんかなかった。
(だからオレは、壊してやるんだ……)
なにもかも、俺の大事に思うものを、壊してやろう。
(あんたが代わりに死ねばよかったのよ……――――)
――――――――もう、代わりにはなれないから、せめて。
だいじな人は作れない……
俺の人生に、二度と特別な存在は作らない……。
それでも生まれてしまう感情があって。
それが生きていることだというのなら、
…………自らの手で、それを壊すことで、生涯をあがっていこう……。
俺の体の中には、一匹の獣が棲んでいる……。
***
全身の血が逆流するかと思った。
車の中にいる、あの子と……『彼』を見た瞬間に。
駐車場に車を入れて、鍵を弄びながら顔をあげると、一台の車が入ってくるのが目に入った。
そちらを見るともなく見ていると、目の前をゆっくりと徐行して行く車の中に、最上さんがいた。
彼女は俺に気づかず、彼女の仇敵であり、初恋の相手であり、愛をうしなわしめるに至ったほどの存在である、『彼』と何かを言い争っていた。
…………仲の良い恋人同士が、じゃれているように見えた。
そう、あの子はそれを決して認めはしないだろうけれど、
いつだって俺には、彼と彼女は『お似合い』に見えるのだった。
幼いころを共に過ごした仲だからそうなるのか、
わかちがたい絆で結ばれた、ひとつがいに見えるのだ。
心臓が、音を立てて軋んだ。
その時、あの子が彼に、何事かを激しく言いはなち、思い切りこちらに顔を向けた。
目が合った。
自分がどんな顔をしているのか、まったくわからなかったけれど、
敦賀蓮の仮面をかぶっていられたなら、たぶん無表情でいられたと思う。
彼女は、俺に気づくと、元々大きな目を、さらにを丸く見開いてこぼれおちそうになっていた。
そんな場合だというのに、自分の刷り込みの効果に、苦笑したくなる。
俺の真意や、反応の意味をわかりもしないで、ただ『それがまずいこと』だとだけわかってる、俺の可愛い子。
通り過ぎていく車を見送って、握りこんだ手に爪が食い込んでいたことに気づいた。
今の一幕を共有した社さんが、必死で何事かを話しかけてくれる、その声が、耳を素通りしていく。
………獣が、嗤った。
***
数日経っても、俺の中に蟠る不快感は消えないままだった。
ホテルに戻り、カインとして過ごす日だというのに、このままではまずい気がした。
せめてもの気分転換と…………とりあえずの応急措置に、その筋を通してあとくされのないプロの女性を派遣してもらったのに、
結局役に立たないまま嫌気がさしてしまった。
女性のにおいを流すためにシャワーを浴びていて、思わずわらってしまう。
なんだそれ……と思った。
女を金で買う、なんて、したこともなかった。
必要だってなかった。
自分が何をしてるのか、わけがわからない。
あの子を思うとどうしてくれようと思うほどたかぶるくせに、
他ではかわりがきかないとばかりに、役立たずな俺自身をつかんで、いまいましく扱きあげる。
抜いておかないと、どっちにしてもまずい。
遅くなるとは聞いていたが、今日はあの子が来る日なのだ。
機械的に処理していても、想像するのは、あの子の体だった。
露出の多い、セツカの衣装。
短いレザーパンツから伸びる、白いすべらかな足。
かがむと、胸元が見えそうになって、はらはらする。
そんなあの子を見る世の男どもの目を、潰してまわりたい。
あの華奢なからだを、思うようにしてやったら、少しは溜飲が下がるんだろうか。
ひとつ舌打ちして、唇を噛み、扱く手を強くして、腰を震わせ、俺は簡単に射精した。
シャワーに流されていくソレが、やけに空しかった。
***
タオルで髪をふきながら、シャワールームのドアを開けると、
そこに先ほどまで俺の頭の中で犯されていた当の本人がいて、少しバツが悪かった
( ? )
出てきた俺に気づく様子もなく、俺のベッドのシーツを手にして、固まっている。
ああ……まずい、と思った。
こんなに早く来られるとは思わなかったので、後始末を完全にしていなかった。
たいしたことはいていないとはいえ、ある程度の痕跡は残っていたはずだ。
たぶん、わかってしまったんだろう。
…………そう思ったら、なぜかすごく黒い気持ちになった。
舌舐めずりしたいような、残酷な気持ちで、固まっている彼女を眺める。
あの子は、ここから、いったいどうするんだろう?
「…………何をしているの?」
だから、俺は、だらしない半裸のまま、壁際にもたれて、背中から彼女に声をかけてやった。
***
「……今日は、遅くなるんじゃなかったっけ……」
軽く息をついて、低く呟くと、彼女が怯えているような気配が伝わってきた。
俺は、そんな際だというのに、あの子がはじめて俺を男と認識するような気配を感じて、
快哉をあげたいような意地悪な気持ちになっていた。
同時に、股間に点る熱を感じる。
抜いたばかりだというのに、仕方がない。
「……はい、そうなんですが……思いのほか、撮影が早く終わりまして、なので、あの、ちょっと」
(買い物を忘れたので……行ってきます)
うつむいて、ちいさくそんな苦しいいいわけをするかわいい子。
ふうん、そうか……ここから、逃げたいんだね。
どうしたって、本能は正しく、俺の危険性を、察知しているらしいのに、悪い気持ちが疼いてしまう。
俺は、できるだけ驚かさないように静かに大股で近寄り、
うしろからドアに手をかけるあの子の細い手首を掴んだ。
驚いて、反射的に振り仰ぐ白い小さな顔。俺の嗜虐心をそそるように、目が泳いで、怯えている。
「……何を忘れたの……?」
胸が苦しいほど……高まる欲情。
ああ、まずい………。
「………敦……」
目がそらせない。
怯えたこの子は想像の中よりも、ずっとかわいい。
いままでの俺たちのあいだには決してなかった空気が、ひどく俺を興奮させた。
力を込めたら、折れてしまいそうな手首の、その感触が、もっとこの子に触りたい……という衝動を抱かせる。
………でも、これ以上はダメだ。
ほんとうに、ブレーキがきかなくなってしまう。
俺の中の獣が、じっと隙をうかがっている気配を感じる。
キレそうな欲望を、理性を総動員してなだめ、俺はあの子から無理に視線を外した。
未練たらしく掴んでいた手を離すのは勇気が要った。
「…………いや、そうだな……うん、行っておいで――――」
このまま二人でいたら、我慢がきかなくなる。
「……敦賀さん……?」
なのに。
逃がしてあげる、といっているのだから、さっさと出て行けばいいものを、
彼女は何を思ったのか、俺に向き直ってしまった。
いぶかしそうに、不安げに、眉を曇らせて、俺を見透かそうとするかのようだった。
「……こっちに来ないでくれ」
それだけ言うのが精いっぱいだった。
振り返らずに、大股でクローゼットに向かう。
逃げれば追うのか、後ろからついてくる。
「…………あのっ………」
シャツを取り出し、羽織りながら、横目で眺めると、最上さんはやけにいじらしいようすで、両手をもみしぼり、
何か、必死の形相で俺を見ていた。
「あの、……あの…………」
そのままうつむいて、黙ってしまう。
この子は、わかっているんだろうか?
そのしぐさのひとつひとつが、俺のことをこんなふうに……なんて。
ずいぶん長い間、そうしていたような気がする。
たぶん、無意識なんだろう。落ち着かなげに、爪をはじく華奢な手を見るともなく見ている間、
最上さんは言葉がみつからないみたいに、黙り込んで、時折意を決したように顔をあげてはまたうつむいてしまう…を繰り返していた。
そうして眉を下げて、上目づかいでこちらをうかがう、いじらしさが、よくない。
思わず、ため息をついてしまった。
「……なに?」
少し、苛立ってもいた。
「………あの……あの、先日の……あいつ……との、こと……なのです、が……」
なのに、ばかな少女は、今の俺に切り込んではいけないところをまっすぐ衝いてきた。
なぜか、それだけいって、つづきの言葉を躊躇っているのも不愉快で、俺は彼女を遮るように冷たく言い放った。
「……君が、行かないなら俺は出かけさせてもらうけど………」
今日は、なんだかよくない。本当に、よくない。
イラついて、頭を掻き上げる。
今日は、このまま飲みに出よう。
少なくとも、この子とこのまま顔を突き合わせていてはいけない。
「……っ」
「敦賀さん……っ」
なのに、そんな俺の気も知らず、最上さんは背を向けた俺の腕に手をかけて、引き留めた。
「………敦賀さん……」
涙をさえためた、切ない目。
どういうことだ、と、混乱する。
すがるような、懇願するような、初めて見る、切ない彼女の貌に、翻弄される。
………誰の前でも、そんな貌をするの……?
じわり、と、胸に危ない感情の焔が点る。
誰の前でも、そんなふうに、
『彼』の前でも、そんなふうに?
――――止まらなかった。
気づくと俺は、彼女の華奢な体を引き寄せ、ベッドに押し倒して、無理に唇を重ねていた。
どうしようもなく、息が上がる。
獣のように、荒い息を吐いて、突然のことでどうしていいかわからずに硬直している少女の口腔を貪る。
柔らかな、唇を噛んで。
無理やりに、舌を押し込んで、絡めて、吸って。
脳天までつきあげるような快感に、夢中で繰り返した。
…………たまらない。
快感が酷過ぎて、いっそ怖いくらいだった。
その時、ぞわり……と、『なか』が動いた。
その獣は、愉快そうに、あさましい行為に耽る俺を嗤った。
(そう……それでいい、それでこそ、オレだ…………)
いやだ。
理性の軛が、遠く俺を引き留める。
けれども、引き返すには、少女のくちびるが甘過ぎた。
いい匂い。腕にすっぽりと収まる細い体。
…………思いがけず、いっそたよりないくらいに柔らかい肌。
「……いやだ、―――いやだ…………」
冷や汗が出る。
これ以上はやめろ、と、理性と良識ががなり立てる
もう遅いかもしれない、触れてしまったのだ、最上さんだって、もう……
「ダメなんだ……いやだ、したくない……やめてくれ………」
(そう、遅いって………)
唆す、欲望。
(もう、こんなことをしてしまったんだから……彼女が正気に戻ったら、二度と触れられなくなるぞ?)
触れるどころか、もしかしたら、二度と傍にこなくなることすらあり得るかもしれない。
声をきくことも、顔をみることすらも。
そのくらいなら……
そのくらいなら、いっそ……。
そう、いっそのこと………無理やりにでも、俺に、繋いでしまったらいい。
そう思った瞬間、恐ろしいほどの快感が、背を這い上がった。
やってしまえばいい、滅茶苦茶に、壊してしまったらいい。
俺の暴虐にさらされて、うつろな目で横たわる最上さんの幻影。
犯しつくされて、俺の痕跡だらけの身体に、白い包帯を巻きつけて……
でも、そんなものじゃない。
そんなくらいじゃ、赦さない。
もっと、もっと………。
……――――そして俺は、堕ちた。
***
「…………どうして、抵抗しないの……?」
いつか、はじめて彼女に欲情した日のように、そのふっくらとした唇を、指の腹でゆっくりとなぞる。
「………」
「………いったい……どう、なさった……ん、ですか……?」
この子は、たったいま自分がされたことをどう思っているんだろう?
思いがけず、冷静そうにみえるけれども、たぶん、この状態がありえなさすぎて、まったくわけがわかっていないのだろう……と推察する。
それならそれでいい、そこに、つけこませてもらうまでだ。
「無駄な、悪あがきをしていたんだよ……」
口の中で呟くと、彼女は小さく首を傾げた。
「……女を抱けば、気がまぎれるかと思えば、勃たないし」
重ねて低く囁く。ねえ、最上さん、一体キミは、俺のことを、どうしてくれるんだろう。
俺はもう、キミ以外にはこんなにも役立たずで。
下眼で覗き込むと、彼女はなんだか、形容しがたい顔で俺を見つめかえしてきた。
「………むしゃくしゃするから、買ったんだよ。気づいただろう?タイミング的に」
気づいたから、そんな俺が汚らわしくて、来たとたんに帰ろうと思ったんじゃないの?というと、
彼女の頬に朱色が散った。
図星だ。
その、ぞくりとするような不思議な感覚に、彼女に押し付けている、たかぶりきったペニスが硬度を増した。
ねえ、最上さん、気づいてる?
俺が、いま、どんなふうになっていて、、それでどんなふうに君を犯そうかと、
舌舐めずりをしながら考えていることを。
「……なのに、君ときたら……いるだけで、俺を、こんなふうにするくせに………」
のしかかったまま、勃起したそこを押し当てても、あの子にはピンとこなかったらしい。
少し腰を浮かし、彼女の目を覗き込みながらあらためていやらしげに擦りつけると、
今度は気づいたようで、大きく見開いた目の中に怯えが走った。
(………『彼』の名前なんか出して…………)
俺を、こんなにして。
「……やっ、やめてください……敦賀さん……っ?」
「――――……もう遅い」
呼吸ができないほど、鎖でがんじがらめに戒め、オレを押し込め、蓋をしてきた俺自身に向かって
いまようやく牙をむける快感に、オレはそれだけでイってしまいそうだった。
「大体が、きれいなままでいようと思うのが間違いで、嘘なんだ」
いい匂いのする首筋に顔を埋めて、嘯く。ほら、敦賀蓮。おまえの、嗅ぎたかった、女の……においだよ。
ためらうように遠慮がちに、しかし切実に、押しのけようとしてくる体をがっちりと抑え込み、
抵抗を封じると、少女はようやく、本気で抗い始めた。
遅いって、と、なんだか笑いたくなる。
「…………自分だけ、のうのうと、こんなところで大切な相手を、作るだなんて、ね……」
ぞろり、と耳を舐めあげると、細い体がびくんと撥ねた。
いい感度だった。
手を伸ばして、胸元を掴み、一気に引き裂いてやると、最上さんは怯えた悲鳴を上げた。
破れた布の隙間から、あらわな乳房が俺の目を射る。
色の薄い乳首が、扇情的だった。
思わず喉を鳴らした俺の視線をたどって、泣きそうな顔をした女の子は、必死に体をよじって、俺の目からそれを隠そうと頑張った。
目じりに、涙が浮かんでいる。
「……たまらないね……」
背中にまとわる服を引きはがして、容赦なく上半身を裸にする。なめらかすぎる白い肌が、嗜虐心を擽った。
ね、だから、キミの兄さんは、セツカの衣装によく口出しをしていたんだよ。
男がいったんその気になったら、こんなときに、こんなもの、こんなに簡単に、脱がされてしまうんだから。
「……いやっ、いや……!」
少し力を抜いて、身体をかえさせてやると、彼女はまんまとうつぶせて、俺の下からのがれでようと腰をあげた。
嗤いたい気持ちで手をのばし、うしろからのしかかってレザーのショートパンツの前を外してやる。
そのまま彼女が気づくより早く、くつろげたところに手を入れ、片手で一気に引き下ろすと、彼女はようやく俺の意図を察して
悲鳴をあげた。
「やだ、やめて……やめてください、敦賀さん!」
俺の手に爪を立てる、その抵抗にすら煽られる。
なめらかな肩がおいしそうだったので、噛みついてやった。
ギリギリと力を入れる。薄い肉の向こうにある、骨の歯ごたえがたまらなかった。
細い背が弓なりに反って、苦痛に滲んだ声をあげる、いとしい娘。
その淫猥さに、夢中で噛んでいると、くちのなかにかすかな血の味が滲んだ。
「……いた……いたい、いたいです………敦賀さん……、や……」
噛み千切ってしまいたい……とも思った。が、自重した。
そのまま名残惜しく唇を滑らせて、肩口から舌で背中をなぞった。
彼女は肩口を押さえたまま、のけぞって、掠れた声をあげた。
「いやあ!!!!!」
細いくせに、どこを触ってもやわらかい。
背を舐め下ろしながら、びくびくと震える彼女の尻に手をそえ、やんわりとひらかせた。
誰にもふれられたことのない、穢れのないかわいいそこに、今からしてやろうことを思うだけで、
喉が鳴った。
両手でひらかせて、口をつける。
彼女の反応は激甚たるものだった。
泣いて、やめてください、とあがいて、からだをよじって、俺の唇からのがれようと暴れる。
仕方がないので、小脇にかかえるようにして、半ばもちあげるように晒し、抵抗を封じて、存分に味わった。
背中をたたく、彼女の手が、時折ぶれて、遂にやむまで、執拗にそれを続ける。
指で肉の襞をかきわけて、生理的にしっとりと潤んでくる蜜壺を周囲をなぞる。
ヒクヒクと痙攣する眺めがいやらしくてたまらない。ぷっくりと膨れた淫らなクリトリスを舌先で擽ってやると、
驚くほどの愛液があふれて、俺はそこに口をつけ、喉を鳴らして、それを啜った。
思った以上に感度がよくて、敏感で、快感に弱い。仕込み甲斐がありそうだった。
夢に見たからだ。想像して、頭の中で犯し続けてきた、からだ。
でも、ほんものは、どんな妄想も凌駕して、蠱惑に満ちていた。
「………少し、ほどけてきたね……」
何度か、無理やりイカせてやると、彼女はもうろうとしたなかで、しどけなくからだをひらきはじめた。
なんども咽び泣いて、赦しを乞ういたいけな少女にむかって、一切遠慮せず、手心も加えず、女をいじり倒し、
容赦なく快感をむきだしにしてやった。無垢なからだが抵抗できないように、丹念に。
「………」
胸のふくらみを揉みしだき、桜色の乳首を口に含んで、大きく開かせた脚のあいだを愛撫しつづける。
からだじゅうを舐めまわし、吸い付き、所有印をきざみながら、もういちど指と舌で追い詰めると、遂に彼女は腰を振って、
かすかに甘い声で喘ぎ始めた。
「………ふしだらだね……」
いうと、きれいな目から大粒の涙がこぼれてきた。
かなしくて、かなしくて、ならないかのような、貌。
助けを乞うような、俺の中に何かをさがすような、すがるような、いたいけなしぐさ。
彼女が無意識にさがしているものに思い至り、俺は心が冷えるような苛立ちを感じた。
「……あいにくだね……」
われながら、棘のある声が滑り出る。
「これが、オレのほんとう、だよ……?」
そう、キミにいま、こんなにひどいことをしているオレが、ほんとうのオレなんだから。
「……君が見ていた俺なんか、全然俺じゃない……そんなのは」
(俺が演じていた、『敦賀 蓮』というどこにもいない人格に過ぎないんだよ……)
敦賀蓮なんて、ほんとうはどこにもいやしない。
そんなどこにもいないやつをさがして、そんな貌をするな……と言いたかった。
(ならなぜ、そんなに辛そうな顔をするんですか。)
(きれいな顔を、泣いてしまいそうにゆがめて。)
責めるような……透明な、きれいな……目。
「……やせ我慢して、わらっちゃうよね、大人らしく振舞ってさ、本当はただの……ケダモノのくせに」
だから、赦さない。
オレは、少女のひざ裏をすくいあげて、押し広げると、十分に濡れそぼったそこに、ギリギリまで張りつめたペニスを押し当てた。
(……ああ、遂に………)
「………ケダモノは、ケダモノらしく……」
ヤれるんだ……この子を。
残酷な、衝動のまま、オレは。
初めてのからだに、容赦なくねじりこんだ。
***
最上さんがいたいたしい悲鳴をあげて、のけぞり、俺の下から逃れ出ようと足掻く。
上にいざって逃げようとするのを、肩口を掴んで引きずり戻し、なおいっそう、深く抉る。
せまいからだは、十分に濡れていてさえ、俺を飲み込みかねて軋んだ。
…………俺は、まったく容赦しなかった。
俺がぐいぐいとねじりこむたび、残虐な本性を刺激するような、ブレた悲鳴があがるのが心地よかった。
声を飲み込むように、くちでくちをふさぐと、苦痛の逃がしどころがなくなっていっそう苦しいのか、
小さな顔をゆがめながら、頭を横に振る。
のたうつ身体をキツク抱き込んで、腰を激しく打ちつけてやると、そこに絡みつき、締め付ける刺激に、頭の芯がブレた。
………気持ちがいい。
たまらない。狂いそうだ。
何度かの注送で、ようやくぜんぶをのみ込ませ、そこで味わうように最上さんの熱を感じた。
熱くて、狭くて、ぬめっていて………時折蠕動して、俺に吸い付く……女の部分。
おかしているんだ、と実感した。
犯している、夢にまで見た、この子のことを、ほんとうに
やってしまった。
…………そう思ったら、止まらなかった。
一瞬だって彼女の身体とこころを思いやる余地もなく、オレは、彼女の中に出し入れを繰り返すことに没頭した。
気持ちがいい……どうしたらいいのかと思うくらいに、気持ちが良くて、吐きそうだった。
醜悪なオレの欲望。みっともないオレの欲望。
無茶苦茶に揺さぶられながら、彼女が虚空に手を伸ばし 『だれか助けて…』と嗚咽を漏らした。
その手をとって、指を絡め、ベッドに縫いつけて……腰を淫らに蠢かせ、嗤ってやる。
誰を呼んでいるの……?
よかったね、今ここで『彼』の名前を口にしたりしたら……
オレはキミを、やり殺してしまっていたかもしれない。
「だれも助けになんか来ないよ」……と囁いてやると、少女は体を震わせて、俺を締め付けた。
壊したい、壊してしまいたい。
「君はここで、俺に壊されるんだよ?」
誰も邪魔をしない、誰にも止められない、この……いまこの僥倖のようなひとときのうちに。
全部壊して、こなごなにしたかけらのひとつひとつにまでも、オレを刷り込んで……オレなしではいられないようにして。
キミという存在のすべてを、オレで塗り替えてしまいたい。
なんなんだ、この、狂った思いは。
彼女が半ば朦朧としたように、どうして……と呟いた。
どうして……どうして。
そんなこと、オレのほうが聞きたい。
どうして、こんなことになった、どうして……こんなひどいことを、オレは。
なのに、どうしてオレは、こんなにも。
「……愛してしまったから……かな」
こんなのが愛か。
吹き上げるような自分への呪詛をまき散らしながら、オレはどうしようもなく、その行為に没頭していった。
昏い闇に呑み込まれるように。
***
何度もそうして、彼女の中に欲望の全てを吐き出してしまうと、
オレにようやく思考する余地が戻ってきた。
気づけば、最上さんは俺を体にうめたまま、失神していた。
細くいたいけな体が、時折小さく痙攣する。
…………とんでもないことをした俺を、ゆるやかな恐慌が襲ってきた。
俺は、いったいなんていうことを。
いったい、どうしてこんなことを。
「………っ」
どうしようもなくひりつく喉を押さえて、そっと体を引くと、彼女は意識のないまま苦痛の喘ぎを漏らした。
どうしよう。
どうしたら、いいんだろう。
俺は、そっと周囲を見回した。
シーツに散る、処女を犯したあかし。俺の欲望の痕跡。
めちゃくちゃなそのようすが、自分がどれだけ酷く彼女を貪ったのかをあらわしていて、俺は無責任にも泣きそうになった。
震える手で、彼女の額を、そっと撫でる。
ピクン、と震えた。
「………ごめん……」
涙が出てきた。
「ごめん、ごめんなさい……ほんとうに、ごめんさい……」
なんで、こんな………。
彼女の身体をきよめ、ホテルの備え付けの服を着せ、ゆっくりと抱きしめた。
泣いたって、どうもならない。泣きたいのは彼女のほうだ。
わかっていても、止まらなかった。
いとおしい、彼女の重み。
頬に頬を擦り付けて、くちづける。
後悔というにはあまりにも欲望が勝ちすぎていて、でも、……
(抜いた後だから、スッキリして、ここぞとばかりに懺悔かよ……)
もう一人のオレは、相変わらずそこにいる。
(随分派手に楽しんだな、『抱かれたい男ナンバーワン』が、処女相手に、無茶する。笑えるよな、ほんとに)
うるさい……うるさい。
(言っておくけど、オレはもう止まらないから。こんな快感、知ってしまったら、もうやめられないから)
やめてくれ……わかったから。
もうわかったから。
このまま、彼女を攫って、俺のマンションに連れ込み、閉じ込めて、何もかもを終わらせてしまいたい。
凶暴な衝動を振り切って、おれは彼女をそっとよこたえ、部屋をあとにした。
屋上に出ると、ぬるい夜風が頬を撫でていった。
悪夢の中をゆくように、歩いて、下を覗いてみた。
…………もういいんじゃないか、と思った。
俺は、たぶん、出来るだけのことをしたと思う。
生まれ育った故郷を出て、自分を捨て、あたらしく生まれなおすために……それなりに頑張ってきたつもりだったけれど。
それでも……過去からは、逃れられないのなら……
魂にしみついた呪詛からは、逃れようがないというのなら。
もう終わってもいいんじゃないかと思った。
俺が、俺自身が、彼女にもっともっと、ひどいことをしてしまう前に。
(…………)
不思議に、そう考えると落ち着いてきた。
死にたかったのだろうか?俺は?
馬鹿馬鹿しい。
どのくらい、そうしていたのか、ふと背後に気配を感じると、いとしくてならない声が俺の名を呼んだ。
どんな展開を想像していたにせよ、それだけはないと思っていたので、驚いた。
振り向くと、自分では気づいていないだろうけれど、ものすごく痛々しいようすの最上さんが立っていた。
くしゃくしゃに縺れた髪、泣き腫らした瞼。掠れた声、……よろめく、華奢なからだ。
全部、おれのせいで。
なのに、何故。
「…………そのままそこから飛び降りちゃいそうな顔ですね……?」
小首をかしげる姿に胸が軋んで、オレはうつむいてしまった。
「……君がそれをしろというのなら、俺はそれでもいいよ……」
本心だった。
「…………そんなこと、しろなんて、いいません……」
ふらつく最上さんのからだを、支えようと反射的に手を伸ばし……
本能的に躊躇って、ひっこめる。
さわったら……ダメな気がした。
「………でも……そのかわりに、話してください」
彼女は、その場にしゃがんで、おれのほうを見つめている。
こわくないのだろうか……と、こちらのほうが心配になる。
「…………何を?」
「全部です」
俺の抱えているものを、全部話せと彼女が言う。
俺が、かくしていることを、全部話せと。
折に触れて、不安そうな目を向けられていたことになんか、気づいていたけれど、
こんなにも敏感に、俺の不審に気づいていたこの子の細やかさに、あらためて泣きそうになる。
みていてくれた、気づいていてくれた。
知ってくれるという、あんなことをしたあとに、ほかならないこの、オレのことを。
敦賀蓮という役柄の下に、押し込めていた、オレのことを。
どさくさにまぎれて、告白とはとてもいえないような告白をしたことにまで。
「あれだけ、ひどいことをされたのに?」
信じられない。
「ひどいことを、されたから……です」
信じられない。
「…………まだまだ、序の口かもしれないと……思わないの」
きっと、意味なんかわかってない。
オレのことを、こんなふうに……その気にさせるようなことをしたら、どんなめにあうのか、わかってなんかいない。
「やさしいね、同情してくれるの?……でもそんなじゃ、悪い男に、付け込まれるよ…」
「同情なんかじゃありません、私は敦賀さんが好きなんです」
だから、いきなりそんなことを言われて俺は本当に驚いた。
好き……っていった?……――――今。
この子が、俺なんかのことを、今、好きって言ったのか?
「だから、こんなことで……こんなことで、もう、敦賀さんと話せなくなったり
……そんなことはいやなんです。ぜったい」
俺は、最上さんを、はじめて見るような気持で、じっと見た。
なんだかふてくされたように、ちょっと尖らせた唇。
おれのほうを見ない、長いまつげが影を落とす目。
少し、頬を染めた、とんでもなくかわいい顔。
いとしさに、泣きたい気持ちになる。
「……いま、なんて……?」
「…………知りません」
近くに寄ると、最上さんはちらりと俺を見上げた。
目の中に、怯えが走るのを見て、胸が軋む。
やっぱり無理だよ、と自嘲が湧いてきて……なのに、彼女は、あろうことか、俺のほうにその細い手を伸ばしてきたりした。
「ぜんぶ、教えてくださったら……もう一回、ちゃんと言います……」
(立てないんです……連れて行ってください、お部屋に……)
こんなことが。
ほんとうに、こんなことが。
ありえない、夢にだって、みたことなんかない。
(どうして………)
どうして、こんなことが出来る。自分のことを、犯した相手に。
あんなに自分ばっかりぶつけて、欲望にさらして、わがままに巻き込んで……ひどいことをした相手に。
俺は、俺のほうに差し出された手を、できるだけそっと、脅かさないように取った。
彼女が、身内にかけぬけただろう恐怖を、必死でこらえていることがわかる。
そのいじらしさに、泣きたい気持ちになった。
(あの子はな、お守りだ……)
いつか、あの人はそう言った。
もしかすると、本当にそうなのかもしれない。
もしかすると、この子は、俺を、オレとしてこの世に繋ぎとめる、たったひとつの纜となるのかもしれない。
………でも、そんな奇跡が、あってもいいんだろうか。
(俺は、俺の人生を自分で生きない奴なんかだいきらいだ)
「……………」
俺の人生を、オレが生きる。
俺は、ほんとうにそんなことができるのか、わからない。
でも、もしかしたら、話してみるくらいは……してもいいかもしれない。
このいたいけな存在に、オレのことを。
キミが好きで好きで、好き過ぎておかしくなるくらいに、好きなんだ……ということだって、
伝えるくらいは、してもいいのかもしれない。
そんなことを考えていると、最上さんは俺の手を、強いちからでぎゅっと握った。
俺は、唇をかみしめて、そのことの意味をうけとった。
……そっと、握り返す。
きっと大丈夫ですよ、と彼女が不安そうに笑う。
明日はわからなくても、とりあえず、今日は、それを信じてみようかと思った。
なによりも、この子に報いるために。
(ありがとう……)
そっと、つぶやいたのは、オレだった……かもしれない。
(了)
会いたい会いたいと念じていたら、
某企画でご一緒していて、
縁は異なものあじなもの、と思いました!
もう朝からコーフンのウルウルですよ!!
あああん、やっぱキョコタン可愛い!!最高!!イイ女です!!
蓮もっとイイ男になれるよ!!(*´∀`)ヤッタネ
朝から騒ぎ杉てすみません~
あうー拙宅の続きはムリポですwww
そんだけごんごんヤッといて、賢者タイムで正気に戻るとか、しょうもない男だな敦賀くん!(笑)
そしてキョコは本当にいい女ですね。強くて可愛い~~(*´ω`*)
やっぱりツルガレンという暴れ馬を乗りこなせるのはキョコたんしかいないな(ウンウン
朝からいいもの見させてもらいましたv
乾ぱーいヾ(´∀`*)ノ
ああん!もう!なんてステキな展開♪
前回も思ったのですが、キョコちゃんが本当に良い女!
蓮視点だから特に良い女度UP!
朝から良いものを読ませて頂き、ありがとうございました!
さあ!営業よ!この魂の駄作を持ってゆけ!ヒー!(ショッカー)な豚子ですこんにちわ。
燃え尽きて……灰になった、この一週間。
もう、おわかりですね?
壮 大 な、 現 実 逃 避(⇒act190妄想)に、
お 付 き 合 い く だ さ っ て、
心 優 し い コ ゙ ッ ト ゙ ネ ス よ、 本 当 に あ り が と う。
……ゴッドネスってなんか超ロボみたいで、カッコイイな。
(豚さんは、なんだかんだいってテンションがちょっとヘンです)
(通常営業です)
■日々寝てない人
お待ちなさい!
こ の 敦 賀 君 は ぜ っ た い イ イ 男 に は
な れ な か ろ う も ん(真顔)
キョコたん……ダメンズ疑惑……。
しかし、うちのはそんなものです。
本家敦賀君が、いつもいつもキョコたんのために耐えに耐えているのをみるたびに、
申し訳ない気持ちで
>拙宅の続きはムリポですwww
ハ ァ ?(ナナメの角度から、やくざふうに)
■スルドイ突っ込みの人
>賢者タイム
『コキたては、誰もが聖人って、知ってる?』
■無茶な人
>本誌読んだ直後にこちらに直行しました!(←
ちょ…ww ま…ww
無 茶 し や が っ て……。
■玉砕の人
3日じゃねえ……やっぱ出てないよねえ……。
あなたの隣にもぐりこみ、一緒に不貞寝をしてみたい、助六です。
要らないって言われても、無理におしつけるress、
それが㌧クオリティなんであります(敬礼)
ふたりで不貞寝wwwが、いかがわしいというその発想!斬新です。
ちょっとググってみたら当て字なんだそうですね。
何を思って、こんな当て字をしたのでしょうか。
『なっ、なにをしてるんですか、敦賀さん!私は怒ってるんですよ!』
『うん、不貞寝してるんだね、だから、手伝ってあげようと思って…』
『なっ、なにを手伝うことがあるんですか!不貞寝ですよ!?あっ、いや、どうしてベッドに入ってくるんですか!また日本語がわからなくなったんですか?(← )』
『……だって、不貞しながら寝るんだよね?ひとりじゃできないよね……?(ニコニコ)』
『なっ、ちが……! い、いや、そんな……!は、破廉恥よーーーー!!!』
ありがとう、おかげでちょっと目が覚めたかも……。
好きです。
でも、センテンスの「ごめん」に純愛を感じました。
ええなあ。こういう純愛の形って好きです。
獣描きたくなります。ファンです。
暑いです、大丈夫ですか?
ご自愛ください。
ケダモノ同盟東久留米支部の豚子です。
こういう純愛はある意味変態愛でもあるわけですが、
そんなことが大好きな、隠しきれない隠し味なのでした。
日々暑いですが、ぺろちゃんもご自愛くださいね。
けだもの君、描いた???
ダークだわ
悶えるほどに・・・・。ますます豚ちゃんの書いた本買いたくなっちゃいましたよぉ
今度通販になったら買いま(待)つね?
ダクダク敦賀君ですた!
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コメ久々です。
いやぁ早起きは三文の得と良く言うがまさに!……て感じ(笑)
早売りゲトできないんで豚作文に心癒されました。ありが10!!
夜にまた愛ましょう~v